介護人材不足の現状

  令和6年7月12日に第9期介護保険事業計画の介護サービス見込み量等に基づき、都道府県が推計した介護職員の必要数を厚生労働省が公表しました。これによると2022年度の介護職員(実人員数)は約215万人で、2026年度には約240万人が必要になるため、25万人が不足します。さらに2040年度には、約272万人が必要になるため、57万人が不足するとしています。

外国籍介護人材の現状

 それでは実際に外国籍の介護人材が日本にどれくらいいるのかを見てみましょう。厚生労働省は毎年ハローワークを通じた外国人の雇用状況の届け出状況を取りまとめており、その公表資料から医療福祉分野に在籍する外国人社員の国別推移をまとめてみました。2017年以前は医療福祉分野の分類わけがされていないため、2018年以降のデータをまとめました。医療福祉分野というくくりなので、全員が介護職というわけではありませんが、そのかなりの部分が介護関係であると推察されます。

 このグラフを見ると、医療福祉分野に在籍する外国籍社員の数が、年々増加していることがわかります。中でもベトナムとインドネシアの増加率が高いことがわかります。但し、2022年から2023年にかけてはベトナムの増加率が若干鈍ってきているようです。さらに2022年以降はミャンマーの数が急激に増えてきております。ミャンマーは軍事政権の支配が続いている関係で、若者の海外流出が加速しており、現状の肌感覚とも一致していると思います。