介護福祉士国家試験

1.第39回介護福祉士国家試験の申し込み開始
 第39回介護福祉士国家試験の受験申し込みが、7月22日から始まりました。 

今回の試験日は2027年1月31日、申し込み期限は2026年9月2日です。
 
今回の試験で特に注目したいのが、昨年度から導入された「パート合格制度」です。 

これまで介護福祉士国家試験は、原則として試験全体で合格基準をクリアする必要がありました。
しかし新しい制度では、試験をA・B・Cの3つのパートに分け、合格したパートについては翌年・翌々年の試験で受験を免除することができるようになったのです。  
2.外国人の合格率は?
 試験全体の合格率は第38回試験(2026年1月実施)で70.1%であったのに対して、外国人の合格率を見てみると、下記のようになっており、外国人にとっては、日本語の壁が大きく立ちはだかっていると言えるでしょう。 それが、今回の「パート合格制度」によって、外国人の合格率にどの程度影響してくるか、注目です!!

実際、第38回試験では、最終的に合格できなかった人の中に、
 
Aパート合格 3,935人
Bパート合格 1,509人
Cパート合格 6,181人
がいました。(重複あり)

 特に特定技能1号は、過去3年間で受験者数、合格者数とも大幅に伸びており、「パート合格制度」によって、これからより一層、特定技能1号の合格者数が増えてくると予想されます。 
3.何を勉強すればいいのか?
 Aパートは「介護の基本」「社会の理解」「生活支援技術」など、Bパートは「認知症の理解」「障害の理解」「医療的ケア」など、Cパートは「介護過程」「総合問題」で構成されています。
 いずれも専門知識だけでなく、問題文を正確に読み、状況を理解し、適切な答えを選ぶ日本語力が必要です。特に事例形式の問題では、単語の意味を覚えるだけではなく、長い文章から利用者の状況や出題者の意図を読み取る力が求められます。だからこそ、外国人職員が介護福祉士を目指す場合、「介護の勉強」と「日本語の勉強」を同時に進めていくことが重要になります。
 厚生労働省の資料には、外国人介護人材について、JLPT(日本語能力試験)のレベル別に介護福祉士国家試験の合格率を調査した興味深いデータがあります。 
N1では約87%が合格しているのに対し、N3では約25%。つまり、日本語能力が高くなるほど、介護福祉士国家試験の合格率も大きく上昇する傾向が見られます。   
4.「採用」から「育成・定着」へ
「この施設で介護福祉士になりたい」と思ってもらえるか特定技能外国人にとって、介護福祉士の資格取得は大きな意味を持ちます。介護福祉士国家試験に合格し、在留資格「介護」へ移行すれば、特定技能1号のような通算5年間という在留期間の上限がなくなり、日本で長期的なキャリアを築いていくことが可能になるからです。 だからこそ、「この施設で働きながら、日本語を勉強して、介護福祉士になりたい」と外国人職員に思ってもらえる環境を作れるかどうか。これは今後、外国人介護人材の定着を考えるうえでも非常に重要なポイントになってくるのではないでしょうか。給与や待遇だけでなく、「自分を育ててくれる職場なのか」「将来のキャリアを一緒に考えてくれる施設なのか」ということも、外国人職員が長く働く職場を選ぶ大きな要素になっていくと考えられます。

これからの外国人介護人材の活用では、単に人手不足を補うために外国人を採用するだけでは十分ではありません。採用 → 日本語教育 → 介護福祉士国家試験 → 資格取得 → 長期就労というところまでを一つの流れとして考えることが重要です。今回始まったパート合格制度は、そのための大きな追い風になる可能性があります。 外国人職員本人の努力はもちろん必要です。しかし、その努力を施設がどのように支えるか。「介護福祉士を育てる施設」であることが、結果として外国人材から選ばれ、長く働いてもらえる施設につながっていく。今回の制度変更を、外国人職員の育成・定着について改めて考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

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